こんにちは。IoTを活用していく上で外せない無線通信の中でも、特にIoTの構成要素として注目されている通信規格にLPWA規格があります。
LPWAは「Low Power Wide Area」の略で、読んで字の如く消費電力を低く抑えて広いエリアの通信を実現する通信方式。2022年までに50億台のデバイスがこのLPWAによって接続されると予測されている程にIoTとは相性の良い規格となっています。
そのLPWAの一種に、「LoRa Alliance」という協会が定めた「LoRaWAN(ローラワン)」というオープンソースの通信規格があり現在世界的に広くLoRaWAN利用されており、特に日本では電波法による資格取得が不要のため、各インフラ会社で活用が拡大しています。
本日は、そのLoRaWANに対応した無線基地局のDIYキットが販売開始されたとのことで、そちらをご紹介。
圃場脇や空き地など屋外で場所を選ばずIoTシステムの無線基地局が設置可能
この度「株式会社インターネットイニシアティブ」と「株式会社カウスメディア」が、IoT向けの無線通信方式LoRaWANに対応した無線基地局の屋外利用ニーズに応える、太陽光発電のできるソーラーパネルや充電式バッテリーをセットにした「LoRaWANソーラー基地局DIYパッケージ」を共同開発。
6月17日より同社のwebサイトで販売を開始しています。主に農業経営体に向けたパッケージになっているそうですが、組み合わせにより屋外のインフラ設備監視などの農業用途以外でも活用ができる汎用性があるそうです。
パッケージ内容
ソーラーパネル、充電式バッテリー、USB出力対応充電コントローラーなど、ユーザー自身が安価に組み立てられるような必要部材のセットで構成されています。
IoTセンサーを設置している圃場までがLoRaWANの無線が届く範囲(1~2km)を超えた場所にある場合や、基地局と圃場との間に建物がある遮蔽物がある場所で、電源確保の難しい圃場脇、傾斜地などで活用可能です。
パッケージ価格は50,890円と大変リーズナブル。
構成品
・100Wソーラーパネル
・55Ahディープサイクルバッテリー
・USB出力対応充電コントローラー
・各種ケーブル
・ソーラーパネル取付金具またはソーラーパネル架台
・防雨、防水ボックス 等
部材イメージ
開発背景
同社では、水田の推移と水温を測定するIoTセンサーや、複数のセンサーからデータを収集してクラウドに送信するための無線基地局、測定値を遠隔からスマートフォンで確認しるための専用アプリ等をセットにした「水管理パックS」を2020年3月より提供。
この商品に含まれる無線基地局は、ユーザーの宅内や作業所などの屋内に設置することを想定しており、長距離無線通信が可能なLoRaWANに対応しています。
しかし、IoTセンサーを設置している圃場までの距離が遠い場合や、基地局と圃場との間に建物などの遮蔽物がある場合、データ通信が不安定になることがあり、無線基地局を圃場脇や空き地など屋外に設置するには、電源確保が必要となっていました。
そこで、今回の安価な太陽光充電がセットにされたDIYパッケージの開発に至ります。
まとめ
このパッケージは、ソーラーパネルを利用することで、電源確保が難しい屋外に設置が可能となっているのがメリット。LoRaWAN自体がLPWAと同じく低電力(大体単3電池1本で約10年稼働)であることから、ソーラーパネルの電源でも全く問題ないかと思われます。
電池交換がないというのは屋外のしかも遠く離れた場所では大きなメリットになりますね。
主に水田や河川の推移を監視し、そのデータを蓄積。いつでもスマホアプリから確認できるという、主に農業用途での活用を想定されていますが、同社はオプションのゲートウェイを利用することで、他メーカーのLoRaWAN対応センサーデバイスにも相互接続が可能なようで、アイデア次第で様々な業界での活用方法が見いだせそうな面白い商品となっています。
下記カウスメディアのサイトより購入可能です
https://www.kausmedia.co.jp/shopbrand/ct107/