こんにちは。最近、色々な業界で企業同士のアライアンスの話題が多く出てきています。とりわけそんな中でも近年の潮流かドローン関連企業の動きが活発な印象があります。
最近のプレスリリースをあげるだけでも「伊藤忠商事」と「株式会社センシンロボティクス」、「ANA」と「株式会社エアロネクスト」、「KDDI」と「プロドローン」など続々と提携しており、インフラ点検や物流などに関するソリューション開発が加速しています。
そんな中、また新たに「ブルーイノベーション株式会社」と「五光物流株式会社」が業務提携を締結したというプレスリリースがありました。
国内のスマートシティ向けドローン物流ソリューションを共同で開発
ブルーイノベーションは、五光物流と「BIポート」と呼ばれるドローンの高精度離発着システムなどの、スマートシティ向けの物流ドローンを共同で開発するという目的で業務提携契約を締結しました。
出典:ブルーイノベーション
スマートシティとは
簡単に言うとIoT等の先端テクノロジーを取り入れた都市のことで、エネルギーや交通、行政サービス等のインフラを効率的に管理・運用する都市概念。スマートコミュニティとも呼ばれます。
BIポートとは
開発のスタートは産官学共同(国交省、東京大学鈴木・土屋研究室、ブルーイノベーション)で、ドローンの目視外飛行において安全に自動離着陸が可能な物流用ドローンボートシステムとしての開発が初となります。
GPSでの飛行と違って、画像認識により誤差なく高精度に着陸が可能。人が立ち入っている場合や、風速が飛行に対して危険な水準である場合は、自動的に離着陸を禁止させる機能を備えています。
出典:ブルーイノベーション
また、携帯電話などの電波による機体との交信で、飛行計画や位置情報等の様々な情報を統合し、安全な飛行を実現。加えてドローンポート、PCとも通信しており、風速状況や人の立入り状況を運行管理システムへ伝達し、安心安全な離着陸を実現しています。
この業務提携で共同開発するというドローン物流ソリューションは、「スマートシティ」の開発を見据えたものとなっており、域内の輸送、配送、格納、保管などの住民生活や事業を支える物流を、効率的で安全に機能させるシステムになるとのこと。
ブルーイノベーションが開発しているドローンの高精度離着陸システムの「BIポート」を軸とし、シェアリング形態のドローン物流ソリューションを開発していくそうです。
両社の取り組み
五光物流は、「環境にやさしく、効率的な物流システムの開発と向上に努力し、安全で安心なサービスの提供に取り組む」を理念に、主に運送業・倉庫業に取り組む企業。
出典:ブルーイノベーション
ECの拡大に伴う貨物の小口多品種化に対応するため、ドローン物流の導入を検討し、産官学連携の実証実験に参画しており、ドローンスクールも運営しています。
ブルーイノベーションは、昨今の労働人口減少や地球温暖化に伴う大規模自然災害の増加、インフラ老朽化といった年々増加する社会課題を解決するため、基盤プラットフォームのBEP(Blue Earth Platform)を軸に、ドローンやロボットをAI、ブロックチェーンなどと組み合わせて無人化、省人化を図る技術開発に取り組み、来るクラウドモビリティ社会に向け、インドアロボティクス、モビリティ連携、BIポートによるソリューションの開発・展開を進めているとのこと。
まとめ
ドローン物流の実現に向けての共同開発に関しては、先日ANAとエアロネクストの業務提携の発表が記憶に新しいですね。今回もドローン物流の実現、またスマートシティの開発をも見据えた提携とのことで、今後もこれらの企業以外でも同様の取り組みが増加してくると思われます。
新型コロナの影響もあり、世界的にも「非接触」の流れが加速している中、ドローンによる物流というのは自然な流れなのかもしれません。
まだまだ実証段階であり、ドローン機体の最適解のようなものや法的部分、天候に左右される部分等、解決すべき点は多くあると思いますが、色々な選択肢があるこれまでよりも利便性の高い世界の実現はそう遠くなさそうです。