こんにちは。建設現場等の現場作業も色々と効率化がされてきていますが、昨今の状況、また今後向かう状況を考えてもまだまだ省人化・効率化は十分とは言えません。
いろいろな作業が自動化や効率化されていく中で、特殊な専門性がいらないような人の力で行う資材運搬等の作業の場合、多くは中々そこを効率化していくという所まで至っていないのが現状です。
そんな専門性がいらない資材運搬作業の中でも、肉体的に負担が大きいとされる型枠保持工の垂直移動に着目して開発されたという、運搬作業を効率化できる運搬装置をご紹介。
資材の上下運搬作業の生産性を向上
「安藤ハザマ」と「光洋機会産業株式会社」は、コンクリートの型枠支保工などを仮設床開口部から効率的に上階に荷揚げできるという「自昇降式垂直搬送装置」を開発。
出典:安藤ハザマ
こちらは実際に現場で適用し、効率的な荷揚げ作業を実現しています。
背景
建設業では就業人工の減少や、作業員の高年齢化が進んでおり、工事現場の生産性向上による効率化や省人化が求められています。中でも特殊な専門技術を必要としない資材運搬作業の内、肉体的に負担の大きい型枠支保工の垂直移動に着目したとのこと。
機械の特徴
この自昇降式垂直搬送装置は、すでに既製品として存在しているアルミの昇降式作業台を改造して製作されており、仮設床開口部などに設置して使用。
本体の重量は200kg程度ということで、専用車輪の取り付けによって作業員一人で簡単に移動させることが可能で、一般的なRC造建築物の2フロア分となる約7.5mの高さまで荷揚げすることができるとのこと。
出典:安藤ハザマ
設置する床の開口部には、仮設手摺と専用の開口蓋を設置することで、転落・飛来落下の防止対策がとられています。装置の支柱は専用の開口蓋と壁繋ぎを介して固定し、転倒防止措置で安全性を確保。
装置は資材を上に揚げるだけでなく、仮設手摺を利用して装置自体を上階に揚げられ、また逆に装置を上階から下階へ降ろすことも可能とのこと。よって装置を使用する場所へ様々なアプローチができます。
出典:安藤ハザマ
開発技術の効果
装置を採用することで、通常3名必要であった型枠支保工の荷揚げ作業が、2名で実施することが可能に。それによって荷揚げ作業の生産性が最大で35%向上することが確認されたそうです。
さらに床開口部での上下作業が削減され、安全性の向上や作業員の肉体的な負担も大幅軽減されます。
まとめ
同社では、RC造建築物の現場でこの搬送装置の活用を積極的に展開しながら、引き続き改良等の改善を行っていき、生産性向上、安全性向上に貢献していくとのこと。
現場での荷揚げ作業は重労働であり、また落下事故も多く起こっていることから、効率化だけでなく安全面においても対策が求められている作業です。
作業的に完全に自動化のようなことは難しい部分にはなりますが、工夫次第で効率化ができる良い開発事例になっていると思います。