こんにちは。先日DJIの新型ドローン「MavicAir2」が発表され話題になっていますが、立て続けに本日5月7日(木)の日本時間21時に、産業用の新製品が発表されるとのこと。
新型の「MATRICE」か「AGRAS」、または新型のカメラか?などと噂されていますが、何にせよ本日の21時に明らかになります。ご興味のある方はDJIのサイト(https://www.dji.com/jp/trailer)をチェックしてみてください。
出典:DJI
さて、産業用のドローンはDJIのような有名メーカーだけでなく、今では企業が独自で開発しているものも多く存在します。産業ドローン市場で世界2位を誇るテラドローンもその1社。
本日は同社が自社開発したドローンレーザ「Terra Lidar(テラライダー)」の累計販売実績が国内40台を突破したという話題。
販売開始より僅か1年で累計販売実績40台を突破
同社が開発しているドローン搭載型のレーザ「Terra Lidar」が、本年3月末までに国内の累計販売実績が販売開始から1年で40台を突破。日本全国の多様な現場で活用されています。
出典:テラドローン
Terra Lidarとは
このレーザシステムですが、テラドローンが早稲田大学スマート社会技術融合研究機構の主任研究員である鈴木太郎氏との共同で開発された、独自技術によるUAVレーザシステムです。
このシステムは従来のUAVレーザスキャナの普及の足かせになっていた価格面での課題を、独自技術によって1/3程度にまで抑えることにより更なる普及を目指しています。
従来のUAVレーザシステムが何故高額となっていたかという理由ですが、高価なIMU(ジャイロセンサー)の搭載を必要としていたためで、それによって価格が1,500〜3,000万円にもなるシステムがこれまでは主流となっていました。
また、価格が安いだけでなく従来のシステムでは飛行開始と終了時に必要だったイニシャライズ飛行が不要になっており、UAVのバッテリー持続時間を節約できる他、イニシャライズ場所の確保や複雑な航路の操縦といったオペレーターの負担も軽減できるシステムになっています。
TerraLidarの国内導入の4事例
1.秋田県での山地現況測量
昨年6月に実施された秋田県の山地現況測量の法面モルタル吹付工事計画の作成に活用。従来手法では数日間要する急傾斜地の計測を、テラライダーを活用することによって、半日以内での計測が可能になったそうです。
出典:テラドローン
取得された点群データから、等高線図、縦横断図、現況図面を作成
詳細はテラドローンのページ:https://www.terra-drone.net/blog/page-6347/
2.大分県での山地現況測量。点群データの樹木管理への活用
昨年7月には大分県の山地現況測量の実施と、取得された点群データを樹木管理に活用。テラライダーを使用することにより、樹木下の地表面データの取得のほか、樹木本数や高さ、幹径情報などの取得にも成功したとのこと。
出典:テラドローン
従来、地上からでは計測が困難だった針葉樹の頂点が高精度に計測可能となり、計測した地表との差分を把握することが可能になったそうです。これによって樹木の高さや幹径など、樹木一本一本の詳細な情報まで取得が可能に。
詳細はテラドローンのページ:https:/h/www.terra-drone.net/blog/page-6366/
3.福岡県での砂防堰堤の3次元起工測量
昨年10月には国交省発注にて、福岡県朝倉市にて砂防堰堤の3次元起工測量を実施。砂防堰堤における工事の正確な施工管理に貢献したそうです。
テラライダーを活用し、約20分の飛行で5〜7haもの測量を完了させたほか、±10cmの高精度な地表面データの取得にも成功したとのこと。
詳細はテラドローンのページ:https://www.terra-drone.net/blog/page-6634/
4.沖縄県での災害対策
今年の2月には沖縄にて災害対策の一環として測量を実施。傾斜地にはヒビがはいった岩が発見されており、そこから落石が発生する可能性があったそうです。さらにその近隣の水道塔に石が衝突することで、地区一帯が水で溢れてしまうということが懸念されていたそうです。
出典:テラドローン
テラドローンがテラライダーで傾斜地の等高線図を作成することで、落石シミュレーションを行うことが可能になったとのこと。
詳細はテラドローンのページ:https://www.terra-drone.net/blog/page-7089/
まとめ
テラドローンは今や世界的にも有名なドローン企業。ドローンの話題でその名を見ないことはありません。国内でのUAVレーザにより測量サービスは2016年より展開しており、既に350件以上(国内No1)の実績を誇っています。
このテラライダーは国土地理院が推進する「UAVレーザ測量の精度向上、作業効率に資する技術開発」のオープンイノベーションにも採択されており、測量業界における生産性向上へ寄与していくとのこと。
テラライダーは、中小企業庁のものづくり補助金にも対応しており、活用することで600万円での導入が可能になるそうです。(ものづくり補助金は5月中締切予定)上記事例にあるような測量を実施する企業にとっては、従来のシステム導入費を考えると決して高過ぎるものではなくなってきていると思われます。
◆今回の記事内容に関するお問い合わせ先
テラドローン株式会社
TEL:03-6419-7193
メール:support-terralidar@terra-drone.co.jp