VAIOがドローン事業において子会社 VFR(株)設立

sugitec

こんにちは。タイトルにもあります「VAIO(ヴァイオ)」と言えば、あまりパソコンの事を知っていない方でも、その名は知っていると思います。

そうです、SONYのPCブランドで有名です。1997年に初のデスクトップ型のものが発売されてから、様々な挑戦的なPCをリリースしプロモーションも多く行われていたので見たことがない人は少ないのではないかと思います。

しかしその業績は不振が続き、2013年にはSONYが事業から切り離すことになります。このままVAIOがなくなるのか?と思われた方も多くいたことでしょう。しかしVAIOは日本産業パートナーズ株式会社への譲渡という形で「VAIO株式会社」が設立され、独立した企業として事業継承され現在に至っています。

DELLのようにビジネス向けに舵を切ることで営業利益は黒字化でV字回復。息を吹き返したVAIOですが、今回ドローンによる社会インフラの革新を推進するソリューション提供を行う子会社として「VFR株式会社」を設立したとのこと。

産業・社会インフラ向けに用途別ドローン機体・ソリューションを提供

この度VAIO株式会社は、ドローンによる社会インフラの革新を推進・加速する機体開発、ソリューションの提供を行う子会社「VFR株式会社」を2020年3月に設立。4月9日より営業を開始したとのこと。


出典:VAIO株式会社

ドローン事業にとどまらず、今後もユニークな強みを活かしながら多用な関係者とのオープンな共創を通じて、社会における課題起点でイノベーションの社会実装に取り組み、新たな価値を創出していく。

VFR設立の経緯

1.産業用ドローンの普及に向けた課題に向き合う

国内の産業用ドローンの市場は25年までに6,400億円を超える規模に成長するとされています。国内のみならずグローバルでの市場拡大が見込まれており、様々な産業用途にドローンの活用が拡大し浸透していくには用途別に最適化されたソリューションが必要。

しかし、現在の主流となっている汎用ドローンではそれを実現するのは容易ではありません。現状、そのことが産業用ドローンの本格的普及に向けた課題の一つになっています。その課題を解決すべくVAIOは2018年からドローン事業に携わっています。

2.PC事業、ロボット事業で培った知見を「空飛ぶコンピュータ」に活用

空飛ぶコンピュータと言われるドローンの開発は、精密なコンピューティング技術やロボティクス技術を要します。VAIOではPC事業で培った高度な設計・製造技術や国内外のサプライヤーチェーンのマネジメント能力をドローンにおいても有効活用し、すでにEMS事業として実績を積み重ねています。

【具体例】
・株式会社ナイルワークスの農業用大型ドローンの本格的量産
・株式会社エアロネクストの重心制御技術「4D GRAVITY®︎」の原理試作支援
・産業用ドローン中国大手のMMCと国内産業ドローン市場の創出に向けた共同事業検討

こうした取り組みを経て、ドローン事業への本格的な参入を行うにあたり、オープンイノベーションの事業成長の加速のために子会社であるVFRの設立に至ったそうです。

VFRの事業

国内外のパートナーとの共創をベースに、VAIOが作り上げてきたコンピューティングの世界を地上だけでなく空にも拡大。

具体的にはドローンのエンドユーザー及びドローン事業者に向けて、用途別に性能・機能が最適化されている、可用性及びコストパフォーマンスの高い機体、コンポーネント、及び関連ソリューションを提供。

様々な社会インフラの運用コスト低減、新たな社会インフラの実現、災害対応の迅速化等を通じ、レジリエンスの高い豊かな社会を実現していくため、産業用ドローンの市場拡大をリードするプレーヤーの一角へ成長することを目指しているとのこと。

まとめ

アメリカでは機密情報漏洩のおそれを取り除く狙いで、中国製ドローンに対しての懸念を発表し、日本でも以前に海上保安庁が、2020年から中国製ドローンの購入や活用を保留するという方針を固めています。

そこへVAIO株式会社のVFR設立。国内でドローンを開発している会社は他にもACSL株式会社、自律制御システム研究所等が存在しますが、国内メーカーにとっては追い風の状況なので、今後日本独自の産業用ドローンがどんどん出てくるものと思われます。

個人的にVAIOがあのエアロネクストの「4G GRAVITY®︎」の開発に関わっていたというのは青天の霹靂でした。今後VFRからどのようなドローンが出てくるのか楽しみですね。

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