生態系調査もドローンで。全自動調査の実証実験

sugitec

こんにちは。今や設備の点検や建築物の点検への活用が当たり前になっているドローンですが、そんなドローンでの点検などの業務の完全自動化を目指しているのが、株式会社センシンロボティクス

まるでドローンの発着基地のようなシステム「SENSYN DRONE HUB」と自動化統合プラットフォームの「SENSYN FLIGHT CORE」で、物流倉庫の監視業務や建物の外壁撮影などの業務を全て自律飛行で完全自動で行えるようになっています。

ドローン全般の弱点としては、バッテリー容量が小さいために連続飛行時間が短いということがあげられますが、この「SENSYN DRONE HUB」では基地へ戻り自動充電を行うのでバッテリー切れの心配はありません。

そのセンシンロボティクスのプラットフォームが、今度は陸域生態系の調査で活用すべく実証実験が行われたとのこと。

ドローンによる全自動陸域生態系調査の実証実験で成果を確認

設備点検、災害対策、警備監視領域を中心にドローンでの業務の完全自動化を目指している株式会社センシンロボティクスは、JAMSTEC※(国立研究開発法人海洋研究開発機構)の行う植生調査において、ドローンによる全自動陸域生態系調査の実証実験を実施。


出典:センシンロボティクス

これによって人のアクセスが困難な場所での定点観測に有効なことが確認されたそうです。これは今後の研究活動の可能性に繋がる結果とのこと。

※ JAMSTEC
国立研究開発法人海洋研究開発機構は、平和と福祉の理念に基づき、海洋に関する基盤的研究開発、海洋に関する学術研究に関する協力等の業務を統合的に行うことにより、海洋科学技術の水準向上を図るとともに学術研究の発展に資することを目的とした組織。

実証実験内容

国の指定重要文化財である夏島貝塚上空を対象に、ドローン観測による植物季節に着目した樹種判別を目的に「SENSYN DRONE HUB」を用いて上空から全自動で植生調査を実施。

実証実験では、植生調査に活用する画像データを取得するために下記の検証を実施。

・ルート設定した上空をドローンが自動飛行し、対象物の直上から画像撮影を行い、画像データを取得できるかを確認
・「SENSYN FLIGHT CORE」上でスケジューリング登録を実施。設定時間に全自動航行による画像データの取得できるかを確認


出典:センシンロボティクス

結果、定時刻になるとプラットフォームからドローンが自動的に離陸し、事前にシステム上で指定したルート通りの正確な飛行を実行した後、完全自動で精密な自動着陸を実行する事が確認されたそうです。

この実証実験では、オペレーターの目視可能の範囲での飛行検証を行ったそうですが、離陸から着陸までの全てのミッションを作業員の介在なく実施出来る事、ドローンの無人運用に足る必要性能を持ち合わせている事が確認されました。

センシンロボティクスでは、将来的な完全自動運用に向けて引き続き効果測定・実証実験を継続していく予定とのこと。


出典:センシンロボティクス

まとめ

自動でルート設定を行い、自律飛行ができるシステムは色々と登場してきていますが「SENSYN DRONE HUB」のようなプラットフォームはイスラエルやシンガポール等、海外では同様の物があったと思いますが、国内では他にまだないのではないでしょうか(あったらすみません)。

とにかくスケジューリングをするだけで定期的なデータの取得を行うような業務については、この全自動化プラットフォームに置き換えてしまうことができそうです。

特に今回のような定点観測を行う上で人が入るには困難な場所での調査等では、このプラットフォームに置き換える事で大きな効率化になりそうですね。

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