こんにちは。災害現場の状況確認や、ICTでの建機の操作の状況確認などに活用されている360°カメラ。少し特殊なカメラではありますが最近では随分と手に入りやすくなり、個人レベルでもSNSへの活用などで購入者が増加しています。
そんな360°カメラを利用した建設現場向けの「StructionSite」というサービスがあり、2020年春から日本国内で販売が開始されるとのこと。この「StructionSite」は米国のStructionSite社が開発し、既に全米で150社以上が利用しているそうです。
カメラで撮影した画像・動画を図面に配置し管理
この度「大林組」と「株式会社チェンジ」、大林組のグループ会社の「株式会社オーク情報システム」、そして米国の「StructionSite,Inc.」の4社は「StructionSite」サービスの日本での販売体制について基本合意したとのこと。
大林組は2018年9月に米国シリコンバレーの「シリコンバレー・ベンチャーズ&ラボラトリー」を通じ、StructionSite社に資本参画していたそうで、大林組グループが施工する国内外の建設現場で、実際に「StructionSite」を利用しつつ機能拡充を支援してきていたそうです。
そして今般、株式会社チェンジとオーク情報システムの2社を統括代理店とし、この春に日本国内での販売が開始されます。
「StruictionSite」とは
平面写真だけでなく360°カメラで撮影した画像や動画を、図面上に配置して管理ができるサービス。
StructionSiteの機能
1.いつでもどこからでも建設現場の状況を確認可能
サービスの利用者はPCやモバイル端末で「StructionSite」にアクセスすることで、いつでもどこからでも建設現場内の状況を確認可能。
また、画像上で特定の箇所に印を付けて会話をする「チャット機能」を利用し、建設現場の気になる箇所についてチームメンバー内で指示や報告のやり取りが出来るようになっています。
出典:大林組
2.同じ地点の画像を時系列で比較
同じ撮影地点の画像を履歴で管理し、画面上で並べて表示することができるので、同じ地点の「過去と現在」の状況を対比して確認することができます。
出典:大林組
また、2つの画像は連携して向きや角度を同時に動かすことが可能。さらにBIMモデルを画像データとして取り込むことで、建設現場とBIMモデルとの比較も可能にしています。
出典:大林組
3.360°カメラのビデオ画像を自動で図面上に配置
360°カメラのビデオ機能を利用した自動撮影が可能(VideoWalk機能)。図面上でスタート地点を定めれば、撮影者が進んだ方角や距離を画像から認識して位置情報を推定するので、建設現場内を移動しながら撮影した360°画像データが自動的に図面の最適な位置に配置されます。
配置された軌跡を選択していくことで、建設現場内を歩き回るように360°画像を確認することができます。
出典:大林組
まとめ
これは中々画期的なサービスですね。遠方からでも実際の現場状況を見ながら指示ややり取りが可能になります。そして過去と今の現場の比較やBIMモデルを画像で取り込むことで、実際の現場と比較ができるという至れり尽くせりぶり。
図面で位置を決めれば撮影画像が自動的に図面の最適な位置に配置されるので、まさに現場をまるまる保存できるということになります。施工プロセスだけでなく、施工後の保守営繕プロセスでも活用ができるので、建物維持管理の品質向上にも貢献できそうです。