世界初。鹿島建設が四足歩行ロボット「Spot」を現場導入

sugitec

こんにちは。2018年にソフトバンクグループが買収し話題となった「Boston Dynamics」社

Boston Dynamics社は最先端技術のロボットを開発している企業で、バク宙ができる人型ロボットや、ちょっと動きがリアルで奇妙な感じのする四足歩行ロボットは、ネット界隈でも大いに話題となりました。


出典:Boston Dynamics

その四足歩行ロボットの「名称:Spot(スポット)」に関しては、これまでに竹中工務店やフジタなどのゼネコンで実証実験が行われてきましたが、ついにこの度「鹿島建設」の土木工事現場で導入されたそうです。

土木工事現場での活用は世界初の事例とのこと。

土木工事現場への適用性を高めた「Spot」

鹿島建設は、ソフトバンクロボティクスならびにソフトバンクの協力のもと、最先端のロボット技術を保有するBoston Dynamics社の四足歩行ロボット「Spot」の実証実験を2018年11月に行いました。

神奈川県のトンネル現場で行われたその実証実験ですが、その後実証実験の結果をもとにユースケースを検討し、トンネル内の路盤などでも問題なく歩行できるよう改良。


出典:鹿島建設

その改良された「Spot」を世界に先駆けて土木現場で活用すべく、2019年12月に正式に導入したそうです。

実証実験とカスタマイズ

◆実証実験日時:2018年11月
◆実証実験現場:横浜環状南線 釜利谷ジャンクション Cランプトンネル工事


出典:鹿島建設

実証実験では、360度カメラを搭載した「Spot」を制御室から遠隔操作。切羽(堀削箇所)の写真撮影やポンプメーター等の計器点検を実施。


出典:鹿島建設

さらに予め設定したルートに沿って自律歩行ができる特性を活かした坑内巡視も実施し、現場での適用性を確認するとともに課題を抽出。


出典:鹿島建設

その後、ソフトバンクロボティクスおよびBoston Dynamics社で、悪路歩行性能の確認やインターフェースプログラムの改良を実施し、土木現場への適用可能性を高めたそうです。

開発背景

建設業界では生産年齢人口減少や、技能労働者の高齢化に伴う就業者不足に対応すべく、入職者確保や生産性向上が喫緊の課題。特に土木工事においては土木特有の自然環境への対応や、地下空間等での作業に対する安全対策も急務となっています。

以上のような背景のもと、同社ではICT技術の導入や自動化の取り組みを加速しており、現場の巡視や工事進捗の管理、安全管理などの業務に最先端のロボット技術の適用を検討するに至ったそうです。

今後の展開

今後はトンネル工事において坑内測量業務や安全管理のための巡視などを実証実験していくとのことで、四足歩行が可能な特性を活かし、急傾斜地すべり地帯での調査や測量などの危険作業を含め、適用先の拡大を検討していくそうです。

鹿島建設では、今後も「Spot」を初めとするロボット技術の導入を積極的に推進していくことで、建設業界における生産性・安全性のさらなる向上を図るとともに業務効率化を目指していくとのこと。

まとめ

ゼネコン各社で2018年から行われていたこの「Spot」の実証実験ですが、鹿島建設が一足先に現場導入に至った形になります。

自然環境にある土木現場では、建物の建設現場にはないような危険が存在します。この「Spot」は四足歩行という特性で悪路の移動は得意としているようですので、できれば人が行かない方がいい場所等の調査に活用できそうですね。

勿論それ以外でも自律歩行を活かした現場の巡視などでは大いに役立ちそうです。また、この「Spot」ですが、紹介している動画を見るとアームのようなものが付いている機体もありますので、プログラム次第で何か簡単な作業をさせることもできそうです。

ちなみにバッテリー駆動時間は約90分、ペイロードは14kgとのことで、ドローンとはまた違った運用ができそうなこれからが楽しみなロボットですね。

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