最大50kgの荷物を20km先まで運べるドローン

sugitec

こんにちは。産業用途の活用、ソリューションの実用化が進むドローンですが、荷物の配送に関しては国内では広範囲に渡った配送の実用化までには至っていないのが現状です。

とは言え、日々実用化に向けての実証実験が着々と進められているので、そう遠くない未来にドローン配送がそれこそ自分の身近なところで始まるかもしれません。

配送というとドローンに関しては積載できる重量、所謂ペイロードで運べる商品の充実度が違ってきます。本日はペイロードが最大50kgという圧倒的な積載量を実現したドローンが予約開始されたとのことで、そちらをご紹介したいと思います。

最大50kgを20km先まで。輸送の垣根を解放

通常のドローンと言えば撮影用途がほとんどで運ぶことを想定していないので当然ですが、ペイロードはせいぜい数百グラムから数kgまでがほとんど。

これまで何度かご紹介したことのある、楽天の商品配送ドローンで最大積載量は5kgとなります。ペイロードが大きくなればなるほど、それに伴って大型化していくので当然価格も上がります。

今回ご紹介する「株式会社A.L.I. Technologies」の物流ドローンは、なんと最大で50kgもの重量を運べる桁外れのパワー。しかも50kgを20km先まで運ぶことが可能となっています。


出典:A.L.I.

概要

A.L.I.では、所有している国際特許「空のインフラ構想」をベースとし、ブロックチェーンによる機体認証 / 安全な物流ボックスとの連携による、次世代の物流構想をもとに、同社の開催した東京モーターショーFAI Drone Tokyo 2019にてドローンのリアルタイムモニタリングを実現。

前日には大型機体による飛行試験にて、複数台の遠隔自動運行と管理システムの機能の有効性を確認できたそうです。

この複数台のドローンの遠隔自動運行と管理システムというのは、同社の「A.L.I.C.O.S.M.O.S.」というプラットフォームのことで、詳しくは以前の記事をご参照ください。

簡単に言うと、これから実現してくる数多くのドローンが日常的に飛び交っている社会(エアモビリティ社会)の実現に向け、同社が開発したオープンなプラットフォーム。これはブロックチェーン技術によって、特定の企業や団体に属することのない独立性を持ったものです。

インターネットがオープンプラットフォームとして爆発的普及をしたように、エアモビリティ社会では、この「A.L.I.C.O.S.M.O.S.」が礎になるかもしれません。

みちびきにも対応予定。垣根を超える輸送手段の実現へ

同社はインフラ整備の整っていない各国地域や、災害時等における物資の輸送だけでなく、スマートシティ・デジタル社会に向けた未来のテクノロジーへ、拡張性の高いオープンソース型のシステムを実現。

近い将来に「みちびき」にも対応を可能とすることで、高度な位置情報をベースとした運行も実現する、としています。

みちびきとは?

これも以前にご紹介したことがありますが、「みちびき」とは準天頂衛星システムのことで、日本版のGPSです。現在GPSといえばアメリカのものですが、山間部や都市部では位置情報が安定しないのは皆さん経験がおありだと思います。


出典:みちびき:内閣府 宇宙開発戦略推進事務局

みちびきでは4機体制で常に日本全体をカバーする軌道に設定することで、高精度な位置情報の取得を可能としています。

まとめ

現在、世界で最もペイロードが大きいドローンがノルウェーの企業「GRIFF AVIATION」の「GRIFF135」というドローンで、そのペイロードは驚きの135kg。


出典:PRTIMES

ここまで行くとドローンというよりは小型航空機に近いですね。人も運べそうです。

しかし今回のA.L.I.社の50kgでも物流という用途では必要十分。何より、ただ50kg運べるドローンを開発したという事だけでなく、「A.L.I.C.O.S.M.O.S.」というプラットフォームとの連携ができる点は大きいです。

50kgも搭載できれば物流だけでなく、撮影にしても大型で高性能なカメラを搭載できることから、活用される業界はかなり幅広くなるでしょうね。これが様々な所で活用されるようになればプラットフォームの広がりも加速していくでしょう。

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