こんにちは。近年では伊藤忠やパナソニックなどの大手企業等で脱スーツをし服装を自由化する動きがありますが、建設業界でもその動きが出てきました。先日大手ゼネコンの西松建設が20年1月からの服装自由化を発表しています。ゼネコンによる服装自由化は初だそうです。
現場では当然これまで通りも作業着となりますが、現場以外の勤務では相手に好感を持たれる服装という条件で、内勤外勤問わずジーンズでもサンダルでも構わないそうです。これまでの殻を破って新しい企業風土を作りたいとのことで、これがどう作用するかですね。
女性はともかく、男性であれば「毎朝服装に悩むので結局スーツでいい」という人も意外に多いかもしれません。ユニフォームみたいなもので楽ですし、実際にそういう声も多いそうです。
逆に自分の好きな服を着たらモチベーションが上る人もいます。まあどちらにしても顔を合わせる人に不快感のないよう配慮するということだけですね。今後ゼネコンでも服装自由化が広がりそうです。
無人航空機が自律的に危険回避。故障や悪天候などの緊急事態に対応
さて、本日はNEDOの無人航空機(以下UAV)の社会実装プロジェクトで「SUBARU」「日本無線」「日本アビオニクス」「三菱電機」「自律制御システム研究所」が愛知県の豊川市、田原市の協力で、UAVが緊急時に自律的に危険を回避する技術の実証実験をおこなったとのこと。
12月16~24日に、豊川市御津と田原市白浜を結ぶ三河湾の海上で、UAVが緊急時でも自律的に危険を回避できる技術を実証する飛行試験を実施。
出典:NEDO
具体的には、離島でのUAVの運用を想定し、飛行中に故障や燃料残量の減少や悪天候を検知した際に、UAV自らの判断で経路を変更し、事前設定された緊急着陸地点まで飛行するという機能の実証となります。
この技術で離島間の物流など、地上とUAVの通信インフラが十分に整備されておらず、緊急時の回避経路の指示など、地上から支援が受けられないという状況でも、UAVを安全運用することが可能になります。
実証試験概要
昨今ではドローンやそれよりも一回り大きくて、より大きなセンサーを搭載できる中型のUAVは、農業分野などで活用が広まっている他、災害時の物資運搬や遭難者捜索、物流インフラなどへの活用へ大きな期待がされています。
一方でUAVの「目視外飛行」「第三者上空飛行」の実現に際しては、UAVの故障発生や燃料残量の減少、急な雨雲接近の際など、緊急着陸地点やそこまでの経路情報をドローン運行管理システムなどで地上から指示する必要があります。
しかし、離島間物流のように地上とUAV間の通信インフラが十分に整備されていない状況下では、UAVが自律的に緊急事態に対応できる技術の実用化が必要になります。
このような背景から、今回の実証試験では以下の3つの機能実証を行ったそうです。
1.故障や燃料残量が減少した時の自律的経路変更機能
2.悪天候時の自律的経路変更機能
3.準天頂衛星システムの高精度測位情報を用い変更した経路を飛行する機能
出典:NEDO
これらの技術によって、離島間物流のように地上とUAVの通信インフラの整備が十分でない状況下においても、UAVを安全に運用することが可能になります。
準天頂衛星システムとは?
「準天頂衛星システム」という言葉が出てきましたが、これは「みちびき」のことで皆さんもニュースなどで一度は聞いたことがあると思います。「みちびき」は日本版のGPSのことです。GPSはアメリカの全地球測位システムですが、その精度をより安定させるためのものです。
通常、静止衛星は赤道にありますが、その起動を変えて日本の真上を通る軌道にされており、常に日本の上空に滞在するように設定されています。とは言え地球も動いていますので、複数の「みちびき」を時間差で運用することで、常に日本の上空に「みちびき」を滞在させています。
現在「みちびき」は4機体制で運用されており、2024年には7機体制になる計画です。GPSははっきり言って山間部や都市部では位置情報が安定しませんが、この「みちびき」はGPSと一体で利用ができ、常に4機が日本をカバーしているので、安定した位置情報の取得と誤差数センチという高精度な位置情報の取得を可能にしています。
試験の実施内容と結果
目的
故障や燃料残量の減少、悪天候情報により、UAVが事前にプログラムされた飛行経路から自律的に経路変更することを確認する。
方法
準天頂衛星システムからの信号を受信する測位受信機を搭載した中型のUAVが、故障模擬信号や燃料警告模擬信号、悪天候模擬情報に基づいて自動的に経路変更し、準天頂衛星システムを利用した高精度測位情報を用いて飛行することを確認。
結果
故障や燃料残量の減少、悪天候の情報により、UAVが事前にプログラムされた飛行経路から自律的に経路変更し、準天頂衛星システムを利用した高精度測位情報を用いて、事前に設定された緊急着陸地点まで飛行することが確認されました。
まとめ
例え通信環境が整っていなくとも、準天頂衛星システムからの信号を受信できることで、その信号に対応した動きを高精度に行うことができるのは、整備の整っていない所もそうですが、山間部など従来のGPSでは難しかった場所でも活躍しそうですね。
ドローン配送が一般的になるのはまだ先だと思いますが、このような緊急時に自律的に対応できるシステムは必須になることでしょう。