こんにちは。先月10日にNECがドローンの実験中にドローンが行方不明となり、捜索中だというニュースがありましたが、12月に入った現在もまだ見つかっていないとのこと。
重量が7kgもあり、万が一高所に引っ掛かった状態であれば大変危険です。それにしても1ヶ月弱経過しても見つからないということは盗難にでもあったのか…いずれにせよ早く見つかることを祈るばかりですね。
さて、本日は東北電力株式会社が、ソフトウェア開発などを手掛ける株式会社SRA東北と共同で開発した「腐食劣化診断システム」について、電力業界として初の運用を開始したそうです。
この「腐食劣化診断システム」は、撮影した画像情報から送電鉄塔の腐食劣化度を判定するシステムです。
AIを活用することで腐食劣化度を瞬時に判定。判定の個人差を解消。
このシステムはスマートフォンやドローンなどで撮影した送電鉄塔の画像を基にして、AIが腐食劣化の度合いを瞬時に判定するもの。
送電鉄塔は他の構造物などと同じように劣化すれば当然補修が必要。腐食劣化度のレベルに応じて、塗装の部材の取替を行う等の計画的な補修工事を行う必要があります。
従来の点検の問題点
従来、送電鉄塔の腐食劣化度を判定する際には、作業員の目視による点検が主流となっていました。しかし、その方法では作業員個人によって判定差が生じやすいという問題があります。
また、送電鉄塔の腐食箇所やその程度は鉄塔1基ごとに管理していて、送電線路全体の鉄塔の腐食傾向を把握するためには、鉄塔1基ごとにそれぞれの状況を確認する必要がありました。
そのために送電鉄塔の塗装や部材の取替などの補修工事計画を策定する際、鉄塔ごとの補修の優先順位付けに多くの時間と労力を要していました。
システムの具体的な時間効率
腐食劣化度診断システムではAIによる瞬時の判定に加え、画像の撮影時にGPSにより位置情報を自動取得し、当該鉄塔の情報(位置、線路名等)を判定結果とともにデータベースに送信することで、各鉄塔の腐食劣化度の一元管理が可能に。
これによって送電線路全体の鉄塔の腐食傾向の確認が容易となり、腐食状況を的確に反映した合理的な補修工事計画を短時間で策定できるようになります。
出典:東北電力
具体的な効率化時間としては、従来では作業員5人がそれぞれ約5時間かけて計25時間かかっていた計画作業が、この「腐食劣化診断システム」を活用することで、作業員2人でそれぞれ約2時間、計4時間で実施可能に。約6分の1にまで短縮。素晴らしい効率化です。
システムの概要
出典:東北電力
まとめ
このように従来目視点検で実施されていた検査は、AIを活用した画像判定に置き換わってきています。画像であればデジタルカメラやドローン、もっと言えば最近の高画質の写真が撮れるスマートフォンがあれば、手軽に取得できます。
あらゆる業界の目視点検を必要とする検査。AI認識がスタンダードになるのは流れ的に間違いないでしょう。