こんにちは。昨今ではドローンによる建物の外壁点検は今では珍しいものでは無くなってきました。今回ご紹介するのは、ARグラスを活用するという少し従来のドローン点検とは異なるサービスになります。
ドローンで直接外壁調査を行うというものではなく、ドローンから送られてくる映像を伝送して共有し、それをもとに作業指示や各種マニュアルを画面上に表示し効率化を図るというもの。
株式会社TTK、サン電子株式会社、NTTコムウェア株式会社、スプラッシュトップ株式会社、株式会社NTTドコモ東北支社、以上の5社が共同で実証実験をおこなっています。
出典:NTTドコモ
5Gの高速大容量で低遅延な映像伝送でドローン点検を効率
ドローンを活用した点検業務では転落時の事故回避など、特に高所の作業が必要な業務の働き方改革の一環として導入が進められており、TTKにおいてもドローンを活用したビル外壁点検を実施しています。
ドローンで点検業務を実施するには、ドローンの操縦技術があるだけではできません。当然ながら点検作業に精通した熟練ノウハウも必要になります。
しかし現状でこれらの両方のスキルを合わせ持っている人材は多くなく、現場にはそれぞれの担当者が赴くことがあるために、コスト面の課題があります。また、高齢化による退職者の増加により、点検の熟練技術者が不足しているのもあり点検業務における後継者育成も課題となっています。
実証実験内容
今回行われた実証実験では、TTKのドローンを活用したビルの外壁点検において、NTTドコモが提供する「高速大容量」で「低遅延」が特徴の「5G」を活用。他、各社が組み合わせる技術は以下。
◆サン電子:ARスマートグラス「AceReal One」
防塵・防滴、ヘルメット装着対応、40度の高温環境でも使用できる作業現場に対応したARスマートグラス。
◆NTTコムウェア:ドローン情報取得・表示ソフトウェア「KnowledgeMap®xR」
ドローンを目視しながらリアルタイムでカメラ映像・テレメトリ情報などをスマートグラスを介して現実空間上に浮かび上がらせるソフトウェア。
◆スプラッシュトップ:クラウド型リモートデスクトップサービス「splashtop」
外出先のスマートフォンやタブレット、ノートPCなどのデバイスから会社PCに接続し、遠隔からでも遅延なくスムーズに操作できるリモートデスクトップソフトウェア。
これらを組み合わせることで、作業現場におけるドローンのカメラ映像や飛行データ、ドローンを操縦する点検作業者の視点の映像を遠隔地の管制センターへリアルタイムで送信。
各社役割は以下
出典:NTTドコモ
それらの情報を基に管制センターから作業現場への指示や、各種マニュアルのARグラス「AceReal One」画面上への表示を行いました。
【作業現場】→【管制センター】
①AceReal Oneで撮影した映像の伝送(作業者目線の映像)
②ドローンのカメラ映像や各種情報の伝送(高度、方角、飛行軌跡、バッテリー残量等)
【管制センター】→【作業現場】
③作業現場への作業指示(音声、画像)
④作業マニュアルの遠隔配布
出典:NTTドコモ
まとめ
この技術で遠隔での点検業務支援が可能になることで、点検熟練者が作業現場へ赴く移動時間の削減や、熟練者による複数現場の並行対応による効率的なノウハウ継承などへ寄与できると考えられます。
この技術は通常のドローン外壁調査とは違い、あくまで作業者が点検作業を行う上でそれをサポートする形のものですね。
作業者の見ている映像やドローンの映像を、管制センターにいる熟練者と共有することで熟練者からのサポートや、マニュアルをARスマートグラスへ表示することができます。
このような技術があることで、経験の浅い点検者の現場業務でも熟練者のサポートがあることで、スムーズな業務が可能になりそうです。