こんにちは。スマホ成熟期である今、LINEにFacebookにInstagram、Twitter、LinkedInなど、これらSNSのひとつやふたつは誰しも活用している時代。
旅先や初めて訪れた場所などで写真を撮り発信。また、感じたことを付け加えてを発信する。日々膨大な量が世界中で当たり前のように発信されています。
そんなSNSに投稿された内容をAIで分析し、質の高いまちづくりに活かすというシステムが竹中工務店で開発されたそうです。
位置情報付きのSNS投稿をAIが分析「ソーシャルヒートマップ™」
竹中工務店は、位置情報付きのSNS投稿の内容をAIで分析し、実際にその場所に訪れた人が思ったことや感じたことなど質的な評価部分を可視化する「ソーシャルヒートマップ™」というツールを開発。(特許、商標出願済)
開発背景
昨今、IoTやビッグデータ、AIが発達する中、ICTを活用して様々なデータを重ね合わせて魅力あるまちづくりに活かす取り組みが模索されている。
中でも人に関するデータはまちづくりの上で大変重要。これまでは、まちなかの「人流データ」で人の位置や数、滞在時間を量的に評価していたが、人がなぜその場所を選んだのか?その場所の印象は?など人の視点での評価(質的評価)は難しいものであった。
一方、SNSの投稿内容を解析した事例は多くあるものの、まちとは関係ない情報を含んだ解析が一般的で、まちに関する質的評価と位置情報のリンクしたデータが求められていた。
ソーシャルヒートマップの解析スキーム
位置情報付きのSNS投稿内容を独自アルゴリズムで構成されたAIで分析。
出典:竹中工務店
1.まちに関するSNS投稿内容のみを抽出
2.投稿内容から投稿者の属性(性別・年代など推定)カテゴリ(食事、イベントなど何についての投稿かを10個に分類)、印象(ポジティブ/ネガティブ)を分類し、その場所の質的評価として蓄積。
3.蓄積されたデータを「マッピング」「グラフ化」「キーワード表示」で分かりやすくその場で可視化。
ソーシャルヒートマップの特長と活用イメージ
特長
・位置情報とまちに関する質的な評価をリンクさせたデータの提供が可能。
・ユーザーとの打合せの場で、分かりやすくタイムリーに可視化した結果を提示可能。
出典:竹中工務店
活用のイメージ
・従来からまちづくりに活用されていた政府や自治体の公開データ。まちの人の流れを示す人流データや商品等の購買データなどを補完し、テナント誘致、まちの活性化施策、社会課題解決に向けて有用なデータの提供。
・今後、より精度の高いデータが提供できるよう、自治体や民間企業との実証実験を進めていくとのこと。また、オリジナルデータとソーシャルヒートマップを重ね合わせることで、まちづくりへの新たな活用方法を模索していくそうです。
まとめ
このソーシャルヒートマップ™ですが、10月15日(火)~18日(金)まで幕張メッセで開催の「CEATEC2019」の同社のブースにて公開されるとのこと。
観光地などに行った際に実際にその場所から投稿してます、ということで位置情報を開示する人も多いでしょうし、そういった情報がそこのまちづくりに活かされます。
常に位置情報を付加した投稿を行うと、自宅や職場が特定されるなどのリスクをはらんでいますので、普段は位置情報は有効にしていない人も多いかもしれませんし、その方が賢明です。
とは言え旅先で位置情報を付加するのは、旅の備忘録として残すのも楽しいものです。その裏にこういったシステムがあることで、まちが活性化することにも繋がりますので、TPOに合わせて位置情報を付加するという使い方をしていくのが良いかもしれませんね。