こんにちは。近年ますます発達してきた3次元計測の技術。取得された「点群データ」も扱いやすくなってきており様々な分野で利用されています。
点群データの活用方法として代表的な所では3Dモデリングや、図面の作成などがあげられます。通常モデリングは設計図から行いますが、点群を活用することで現況を知ることも可能です。
現場をそのまま保存してしまえるのは点群の強みですね。作図にしても平面や断面、立面図全ては点群さえあれば任意の箇所を自由に切って作成することができます。
そんな便利な点群データですが、その点群データを取得する3Dスキャナを搭載したロボットがリリースされたとのことで、そちらをご紹介したいと思います。
3Dスキャナ搭載昇降ロボット「VAN-BO」
こちらは業務用ロボットの開発やソフトウェア開発を手掛ける、株式会社イクシスの開発・リリースとなります。ロボットの名称は「VAN-BO」。
出典:株式会社イクシス
従来のように三脚に設置する場合と比べて、高密度な点群データ・画像を広範囲に渡って取得可能なものになっています。
搭載するスキャナは、ライカジオシステムズ株式会社の「Leica BLK360」をはじめとした3Dスキャナ。インフラ点検における「高所エリア」や「狭隘エリア」の計測業務を支援します。
「Leica BLK360」とありますが、他メーカーのものでも対応可能のようです。
ロボットの特徴
1.3D スキャナを搭載した昇降可能なロボット
※自動昇降型(3m~4.5m)と、マニュアル昇降型(8m)の2タイプあり。
2.高精度な点群データと画像を取得。三脚搭載時に比べ広範囲なデータ取得が可能。
出典:株式会社イクシス
3.移動が簡易。短時間で空間全体・構造物全体のデータを取得可能。
4.導入の初日から利用できる簡単な操作性。
5.取得したデータは点検損傷画面との重ね合わせができるので、経年変化を把握することが可能。
社会インフラでの活用を想定
こちらのロボットは主な適応対象として、橋梁や道路、工場・プラント、建物・付帯設備・土地家屋等を想定。
出典:株式会社イクシス
出典:株式会社イクシス
従来の地上からの計測では、高所の現況調査と把握が困難な場合がありました。また、足場を組んで計測点検する場合もあり、時間とコストがかかる上に安全面でも課題があります。
しかしこのロボットを活用することで、これら課題を解決・軽減することが可能になります。
高所の点検と言えばドローンの活用もひとつの手ですが、このロボットはデータの精度としてはドローンよりも高いとのこと。
出典:株式会社イクシス
まとめ
従来の3Dスキャナは三脚等に固定して撮影を行うのが一般的でした。そこを昇降可能な形にしたことでより幅広い計測エリアに対応しています。
スギテックでも3Dスキャナではないですが、簡単な点検であれば対応できる機器「OSMO+」を導入しています。
上記の「OSMO+」はジンバルも付いていて手ブレは一切起こらないので、実質ドローンで撮影するのと何ら変わりません。ある程度の高さ(3階建て程度)であれば充分に対応でき、取り回しもいいので作業も速く、何より墜落の心配もないので安心です。
高所点検はドローンを使用するというのは一つ考えつく所ですが、ある程度の高さであれば単純に今回のような昇降機構だけでわざわざドローンを使う必要はありません。意外とシンプルですね。
◆記事参考:株式会社イクシス
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