こんにちは。以前にコマツが、ドローンとエッジ技術を活用した「EverydayDrone」というサービスを提供しているとの記事を書きましたが、EverydayDroneのサービスを協業で運用していたのが、株式会社ミライト・テクノロジーズです。
そのミライトテクノロジーズでは「ドローン広域運用サービス」を提供しており、国内のあらゆる場所において、測量や建設工事の他、設備点検や災害復旧、農業等、様々な分野のドローンサービスをサポートしています。
その広域運用サービスをさらに機能拡充し、通信設備や社会インフラの点検業務の効率化を実現するべく、10月1日よりサービスを開始したそうです。
拡充に採用したのはNTTコムウェアのソリューション
今回、同社が「ドローン広域運用サービス」を拡充させるために採用したソリューションは、NTTコムウェア株式会社が提供する「ドロポ®」「KnowledgeMap®4D」、画像認識AI「Deeptector®」の3種。
出典:NTTコムウェア
ドロポ®、KnowledgeMap®4Dとは?
ドロポ®はドローンやパイロット、撮影データなどドローンを導入・活用する際に必要となる情報を一元管理するもの。
NTTグループの設備点検業務の知見をもとに、ドローン運用業務の支援やノウハウ共有に役立つポータルシステムで、ドローンやパイロット、フライトや撮影データの管理など、業務にドローンを導入する場合に必要となる計画や管理といった付帯業務を支援し、ドローンを活用した業務効率化を実現。
出典:NTTコムウェア
KnowledgeMap®4Dは、ドローンの撮影画像から点検対象を3次元化し、仮想空間上での点検業務を実現します。
このソリューションはドローン航行による写真撮影、センサーデータなど取得した情報をもとに、デジタル空間上で簡易目視点検・診断の実現を目指し開発されています。
SfM(Structure from Motion)技術により、撮影した写真から3Dモデルを生成し、点検対象の劣化状況を写真と3Dモデルで直感的に把握、管理することが可能。
出典:NTTコムウェア
画像認識AI「Deeptector®」
こちらは人の目による判定・判別作業工程を持つ様々な業種や業態において、AIによる自動化・省人化を可能にする技術。不具合画像を教師データとし、繰り返し学習させることで不具合箇所を自動検知・解析します。
特に特定対象物の監視・検閲・トンネルや建物などのインフラ劣化診断、製造業における外観検査などの分野で高評価を得ているそう。
同社のドローン事業部の運営上の課題解決のために
これらソリューションを採用するに至ったのには運営上の課題があった為です。同社はドローン事業部を2017年に開設。以降、ドローン機体とパイロットを提供する「ドローン広域運用サービス」のニーズは年々高まり、すでに400以上のフライトを実施してきているそうです。
その中でも通信キャリアの設備や、大規模建物の点検業務の依頼が多く、従来方法では点検が困難であった箇所に対してドローンでの点検を実施していましたが、下記のような運営上の課題があったそうです。
①様々な機体の運用、パイロット派遣、許可申請、進捗管理など多様な業務運営に稼働を要する。
②撮影した画像から設備等の不良箇所を見つける作業に膨大な稼働を要する。
③画像上で発見した不良箇所を記録、蓄積や前回撮影との差分の解析に稼働を要する。
以上のような課題点から、今回のNTTコムウェアの製品である「ドロポ®」「KnowledgeMap®4D」「Deeptector®」をまずは自社業務で試用。
結果、これら機能を広域運用サービスに加えることで、上記3つの課題が改善し、サービスの品質向上につながることが確認できたことから、採用に至ったそうです。
まとめ
ドローン広域運用サービスでは、機体の運用部分やデータ取得後の画像認識部分などに関しては従来通りの方法、特に不良部分を見つける作業に関しては効率化ができていませんでした。
調査にドローンを適用することで従来の方法よりも効率化ができますが、ドローンの取得データ容量は膨大なものになるのもあるでしょう。解析部分までが効率化されていなければ相応に作業時間はかかってしまいます。
昨今では様々な企業からAIやクラウド、エッジ等を活用したソリューションがリリースされています。自社で開発するのも勿論様々なメリットはありますが、今回の同社のように他社で実績のあるソリューションを選択するのもひとつですね。