こんにちは。最近は大分涼しくなって日が暮れるのも早くなり秋の空気を感じます。今年も残り98日ということで、本当に1年は早いものですね。これから年末が近づくに連れて段々とバタついてくると思いますが、そんな時こそ余裕を持ってこなせるよう準備をしてきたい所です。
さて本日は大林組のプレスリリースで、道路橋の床版の取替工事において行われるケレン作業を大幅に効率化し、また安全性の向上も実現させるという技術が発表されていたのでそちらをご紹介したいと思います。
ケレン作業といえばディスクグラインダー、通称サンダーなどの回転工具で行われることが多い作業。手間は掛かりますが絶対に疎かにできない重要な作業です。
ケレン作業を機械化し大幅な省力化を実現
近年の社会問題としてあげられるのが、社会インフラの老朽化。国内の道路橋についても、今後の10年間で建設されてから50年が経過するものが約半数を占める状況であり、リニューアルが急務となっています。
道路橋の床版取替工事は道路の一部を通行止めにして行うものであるため、古い床版の撤去から、桁フランジに付着した塗装なコンクリートの除去(いわゆるケレン作業)や、新しい床版の設置などの一連作業は、計画期間内に確実に完了させることが重要となります。
ケレン作業に関しては、ディスクグラインダー等により手作業で行う他、コンクリート片などのケレンで出たクズ清掃も必要となるため、多くの作業員で集中的に作業を行わなければならないという課題がありました。
そこで開発された装置「フランジブラスター」
この装置は、自動でスイングするブラスト噴射装置と、ケレンくずやブラスト材を自動回収するバキューム装置で構成されています。
出典:大林組
走行用の車輪もあり、それで桁フランジの上を手押しで走行させることで、ケレン作業と清掃作業を同時に行うことが可能。従来よりも大幅な省力化を実現しています。
フランジブラスター特長
1.従来工事に比べ約50%の省力化を実現
装置は砂などのブラスト材を高速で吹き当てることで塗装などを除去する噴射部が、自動で左右にスイングすることにより広範囲を同時に作業可能。加えて従来ではフランジ同士を接合するボルトによって凸凹しているため、作業時に手間がかかっていた添接板などの範囲も平たんな箇所と同様、均質に仕上がる。
2.安全性の向上や周辺環境への影響も低減
ブラスト噴射部を金属製の防護箱で囲うことで、ケレンくずやブラスト材の飛散を防止して作業の安全を確保しています。また、防護箱に接続したバキューム装置が、ケレンくずとブラスト材を九州回収することで、ケレンくずやブラスト材が飛散せずに作業環境の悪化を防止するだけでなく、清掃作業も不要になります。
分別装置でケレンくずを取り除いた後は再び循環利用します。
出典:大林組
まとめ
こちらの技術ですが大林組で施工した現場において、長さが12mある4主桁のケレン作業に利用することで、従来作業と比較して約50%の省力化を実現したとのこと。
ケレン作業はどうしても手作業で行うことが殆どで、また作業的にも後の清掃までを含めると結構大変な作業になります。しかし今回の装置であればケレンと清掃が同時に行え、結果50%の省力化を実現しているのは大きいですね。
しかも機械化しているので、誰が使ってもムラ無く同様の品質と早さのケレン作業を行うことができるというのも、技術者不足の昨今には重要な部分ですね。
◆記事参考:大林組「道路橋の床版取替工事における桁ケレン装置「フランジブラスター™」を開発」
◆お問い合わせ:大林組 コーポレート・コミュニケーション室広報第一課
TEL 03-5769-1014