こんにちは。早いもので8月ももう今週で終わりを迎えます。しかし相変わらず残暑厳しい毎日。本日はまた気温が33℃あたりまで上がるそうで、明日から天気が悪くなるものの来週も引き続き暑い日が続く予報となっています。
本格的に涼しくなるまで後1ヶ月は掛かりそうなので、熱中症や脱水症状にはくれぐれも気をつけていきましょう。
さて、本日は製造の現場向けのサービスになりますが、拡張現実であるAR機能とIoTサービスを連携した「Smart Ready IoT AR設備保全ソリューション」が今月23日からサービスの提供を開始しています。
ノウハウ共有と作業平準化、点検記録ミスの防止等、効果的な人材育成を実現
このソリューションですが、東京新宿のコネクシオ株式会社が世界的重電メーカーのシュナイダーエレクトリック社の製造現場向けのARソリューション「EcoStruxure Augmented Operator Advisor」と、同社のIoTサービスを連携したものとのこと。
出典:コネクシオ
機器の導入支援からコンテンツの開発、IoTのデータ連携までを実現。これによって確実な点検記録とミスの防止、保全作業全般の効率化と作業ノウハウの迅速な共有・平準化まで効果的な人材育成が実現。
ソリューションの特長
出典:コネクシオ
1.タブレットをかざすだけで設備状態が「見える」
作業者がタブレットのカメラを設備にかざすだけで詳細データ、マニュアル、操作ガイドなどがタブレット上で表示可能。従来のようにわざわざ制御盤を開けたり、高所に上がる必要なく対象機器の内部のデータが確認可能。
2.ミスを防止し、ノウハウを蓄積
操作ガイドを確認しながら点検作業を進められるので、作業者が不慣れな場合でも作業ミスや記録のミスを防止できます。また、熟練技術者の手本となる動画をコンテンツ内に埋め込み、それを確認しながら作業を進めることも可能。
3.確実に作業結果を記録し改ざんを防止
アプリは現場をカメラで認識しない限り起動しないので、未実施や抜けを防止し確実に点検結果を記録することが可能。また、誰がいつどのくらいの時間で点検したかが自動的にサーバーに記録するので改ざんすることはできません。
4.ペーパーレス
従来のように紙ベースのものを持ち歩くこと無く、全てのマニュアルはタブレット上で参照可能です。
5.IoTデータ連携
PLC データソースに加え、様々なセンサーやアナログメーターなどのIoTデータをARサーバに連携することが可能。設備保全とIoTデータを連携することで、異常や故障予兆をIoTデータから判断して作業者に通知することが可能となります。
点検にで異常を発見した際に関連するIoTデータを同時に残しておくことで、さまざまな相関関係や因果関係の分析も可能になり、根本的対策も容易になります。いわゆる「現場の勘」を数値化することで、予防保全や品質向上に繋げられます。
まとめ
これまでは設備の状態を把握するには専門技術者のノウハウが必要となっていましたが、このARテクノロジを活用することによって、専門技術者でなくとも状態の把握が可能となります。
タブレットをかざすことで設備の状態等が数値化され、中には盤を開けずとも盤内の状況をARで把握することもできるようになっています。
状況の把握後は、ARアプリを通して復旧方法へのマニュアルや動画を参照できるので、経験の浅い技術者であっても早期復旧への対応が可能です。
建設業でもそうですが、これまで熟練技術者がやっていた仕事を熟練技術者でなくとも対応を可能にし、かつ作業も効率化できるテクノロジーが広まってきていますね。
ただ、人手不足が拡大する中で、特に従業員規模の小さな企業ほど新たな雇用の確保が難しくなってきている状況です。そういう状況の企業にこそこれまで以上の効率化が求められる訳ですが、新たなテクノロジーの導入には企業内で解決すべき課題が多いのも事実。
コストをかけて導入したものの、リテラシー不足で使いこなせなかったり既存のやり方と混じって余計に非効率になってしまったりということのないよう、使う側の理解する姿勢も非常に大事ですね。