こんにちは。昨日のニュースで、あの長崎市の軍艦島から基準値を超えるアスベストが検出されたとのこと。見学広場になっている3ヵ所で大気調査を実施したところ判明したそうです。
2009年に上陸が解禁されてから年に1回の調査は行われていたそうですが、検出されたのは今回が初めてということで、市は既に観光客の上陸を禁止にしています。
軍艦島には2017年に社員旅行で運良く上陸できましたが、よもやアスベストで上陸禁止になるとは思いもよりませんでした。まだアスベストが禁止されていない頃の構造物なのであり得る話ではありますが…
最低でも飛散場所が特定され、飛散防止措置がとられるまでは再上陸は難しいでしょうね。行ってみたい人も多いと思うので早く再開されることを祈ります。
さて、本日は熱中症ゼロを目指すために開発された「暑さ指数ウォッチャー」が本格運用を開始したという話題。システムの開発は大林組です。
作業現場内、複数箇所のWBGT値の情報を一元管理
夏も本番に入り暑い日が続いています。京都では日々35度を超える猛暑続き。過酷な暑さの中で現場作業をする方にとって、安全面もそうですが、熱中症にも最大限の警戒が必要です。
体力面で「まだいけそうだからやる」「もう少しで終わるからやってしまう」など、気をつけているつもりでも、ついつい休憩を挟まずに少し無理をしてしまうことがあったりする方もいるでしょう。
出典:環境省
また、熱中症予防を考える際にWBGT(暑さ指数)という物がありますが、同じ現場でも場所によって変わってくる場合もあるので、大枠で調べた値と乖離している可能性もあるので、そのまま信用するのも危険です。
今回紹介する大林組の開発したシステム「暑さ指数ウォッチャー」では、作業現場内の複数箇所でWBGT値を連続測定し、その情報を一元管理することが可能となります。
開発背景
熱中症対策は今や社会全体の課題。平成30年の「職場における熱中症による死亡災害の発生状況」によると、職場での熱中症による死亡者数は前年比で2倍になるなど、熱中症対策は不可欠となっています。
出典:大林組
このような状況の中で、就労環境が日々刻々と変化する建設現場で働く作業員の熱中症災害を防ぐためには、複数の作業場の熱環境をくまなく、連続的に測定しその情報をもとに迅速に対応することが重要です。
暑さ指数ウォッチャー特徴
暑さ指数ウォッチャーは、日本工業規格(JIS B 7922)に基づいたWBGTを高い精度で計測。作業強度などの与条件に応じたWBGT基準値を自動設定したりと、優れた性能となっています。
出典:大林組
また、計測データをリアルタイムでクラウドシステムに送信するため、作業環境の情報をいつでもどこでも確認することが可能。
出典:大林組
施工管理者だけでなく、作業員や作業員をとりまとめる職長など一人ひとりが作業環境を認識し、適切な熱中症対策を状況に応じ検討することで、熱中症の予防効果をより向上させ、熱中症災害の低減に一層の効果を発揮します。
出典:大林組
暑さ指数ウォッチャーが利用するWBGTの基準値については、18年度までは現場や工場で働く作業員を対象に「作業者に関する指針」に基づく値のみ対応していたそうです。
しかし、熱中症災害は労働環境に限らず、日常の環境においても発生するリスクがあるため、様々な環境に応じた対策ができるように、以下の機能が追加されています。
1.日常生活に関する指針
学校での授業時、高齢者の在宅時等、日常生活などを対象としたもの
2.運動に関する指針
競技場や体育館など、運動時を対象としたもの
「作業者に関する指針」「日常生活に関する指針」「運動に関する指針」、この3種類を状況に応じて適切に選択することで、労働環境以外でも活用できるようになっているのも大きな特徴です。
大林組では2019年度にこのシステムを日本全国で施工中の約300ヵ所の現場へ導入し、本格運用するそうです。また、作業環境以外への普及についても推進していき、熱中症災害の撲滅を目指します。
まとめ
WBGT値に気をつける、というのはよく言われることです。WBGT値は基本的に環境省のサイトなどで地域ごとに調べることはできますが、大枠と言えば大枠です。
その点この「暑さ指数ウォッチャー」では変化していく環境に対応しWBGT値をはじき出してくれるので、かなり信頼性が高いと言えるでしょう。
環境省の資料では、7月22日~28日の1週間のWBGTの平均値が過去10年の平均値よりも高い日が多くなっており、熱中症搬送者の数は5,700人近くになっている。
異常気象なのか確実に年々暑くなっているような気がしますね。昔の人ほど「自分は大丈夫」と無理をしてしまいがちですが、過去とは異質ともいえる暑さですので、くれぐれも無理せず乗り切りましょう。