こんにちは。午前中から茹だるような暑さです。昨日のニュースで、28日にひらかたパークで着ぐるみを着ていたアルバイトスタッフが熱中症で意識がなくなりそのまま亡くなられたと報道がありました。
この時期はとにかく無理をしないよう、適度に休憩を挟みつつ業務にあたりましょう。熱中症になった多くの人は、自分の身体の異変に気づかないままに発症しているという調査結果もあるようです。
よく自分の身体のことは自分が一番分かっている、と言いますが、過酷な環境になる程それは通用しないことを念頭に、休憩や水分補給はルーティン化する必要がありますね。
さて、本日は建物の外壁点検を行うロボットが開発されたという話題。開発は高松建設株式会社と青木あすなろ建設株式会社、非破壊検査株式会社の3社共同となります。
点検技術向上を目的とした壁面走行ロボットによる外壁点検システム
外壁調査の義務と課題
建物外壁の点検手法と言えば、タイル面に対して打診棒で叩いたり転がしたりして剥離の音を聞き分ける「打診法」。赤外線カメラでタイル面の温度を捉える「赤外線カメラ調査」等があります。
スギテックでもこれらの調査は専門的に行っており、近年特に平成20年以降は建築基準法の第12条に基づく定期報告制度の施行の影響もあり外壁調査の依頼は増加しています。
広く一般的な外壁の調査方法としては打診法が多くなっていますが、建物によっては足場の架設が必要になったり、建物の屋上からゴンドラやロープ工法で技術者を吊って作業を行う必要があります。
そうなると安全面や、建築主にとってはコストや工期など負担が大きく、また検査の結果も技術者の経験等に影響される懸念もあるため、ロボットなどを活用した調査の効率化と精度向上が求められています。
出典:高松建設
そこで今回開発された外壁点検システムでは、ロボットが壁面の自走し打診をおこないます。その診断結果をデータ化し、分析・蓄積する事でより高精度な診断が期待できるそうです。
打診測定器やカメラを搭載し壁面を走行する壁面走行ロボット
壁面走行ロボットは、中心部に空気を吸引するための「バキュームチャンバー」を配置し、それを取り囲むようにしてローラーがあります。
出典:高松建設
ロボットは壁面を吸着しながらローラーの回転によって壁面を走行する形。このロボットに打診測定器やカメラを搭載することで、建物外壁面の打診とカメラでの撮影によって、タイル剥落やクラックの検査を行います。
正確な劣化位置はデータ化され、PCで外壁面の劣化状況を図示化。また、計測データは経年変化の累計情報として蓄積し改修履歴として保存、将来の建物の維持管理計画に活用できます。
システムの特徴
壁面走行ロボットによる外壁点検システム基本仕様
・壁面の材質にかかわらず走行可能
・最大速度64mm/秒で、19mm程度の段差の乗り越えや緩やかな曲面部でも走行可能
・打診システムによるタイルの浮き、剥離を検出可能
・カメラユニットによりタイルの割れや目地の状態等の確認が可能
・自己位置推定ユニット等の位置評定システムにより外壁調査箇所の図示化が可能
まとめ
これまで外壁タイルを調査するロボットは、東急建設など大手ゼネコンや国土技術政策総合研究所、他多数の企業などからもリリースされています。
ですがまだまだ業界では活用がそれほど広く進んでいない印象はあります。予算をかけてロボットを導入するよりは結局従来方法で間に合っている所は多いのかもしれません。
今回ご紹介したロボットは、規模の小さい建物や隣地境界との空きが小さい建物の調査に特化したシステムということなので、そういった環境の調査の効率化を図っていくには最適なシステムかもしれませんね。