こんにちは。本日は平成4年に日本さくらの会が制定した、さくらの日だそうです。そして京都では開花宣言もありました。
もう少しで満開を迎える桜ですが、何故これほどまでに日本人は桜を愛しているのか?桜は美意識や心の文化ともいえます。日本の文化や歴史に深く関わってきた桜を通して、改めて日本の文化などに関心を向けてみてもいいかもしれません。
さて、本日はコンクリートのひび割れを自動的に計測するというロボットが開発されたという話題。開発は熊谷組と倉敷紡績株式会社となります。
出典:熊谷組
建物の床コンクリート面を自動走行・撮影しクラック検出
床コンクリートのひび割れの検出や計測・記録をする業務は、従来の方法では多くの手間と時間をかけて行われていため、こういった作業における省力化の技術や、確度の向上が求められてきていました。
近年では老朽化が進む構造物が増加しています。それに伴い、そういった構造物に対応する検査技術のひとつとして、ひび割れ等を計測する技術の開発や改良は重要なものになっています。
昨今ではコンクリートのひび割れ検出・撮影をおこなう技術として、AIによるひび割れの抽出や、高解像度のレンズを使用して遠方からひび割れを観測したりする技術など、ソリューションの開発も多く行われています。
それらは各種構造物においてコンクリートのひび割れ等を調査し完成時検査に用いたり、供用後のメンテナンスや補修の必要性の有無を確認するためのものです。
今回熊谷組で開発された床コンクリートひび割れ自動計測ロボットも、こういった課題を踏まえて開発されています。自動計測ロボット1台で広範囲にわたる計測が可能になり、作業員の肉体的負担の軽減や計測時間の短縮が実現します。
技術概要
このひび割れ自動計測ロボットは、自動走行台車にカメラを搭載し床面を連続撮影していきます。撮影された写真は自動取得された位置データと照合され、自動で配置・結合。
出典:熊谷組
結合された画像データから「ひび割れ自動検出・図化システム」がひび割れの幅や長さを自動的に検出し、正確な位置データを持つひび割れ図のCADデータとして出力されます。
それを構造図のCADデータと重ね合わせることで、ひび割れ計測図として検査報告書へ記載することが可能です。
ロボットの特徴
1.計測作業の時間短縮
ひび割れの多さなどに影響は受けず、計測作業の時間が従来の約1/2となり、大幅な作業時間の短縮が見込まれます。
2.計測員の負担軽減とコスト低減
従来のひび割れ計測は人海戦術的な形で実施されていますが、ひび割れ計測図の作成に必要な作業の多くが自動化されていることで、計測員の肉体的負担の軽減や現場作業の短縮にともなうコストの削減が可能。
3.広範囲を一人で計測可能
計測区画の開始典と終了点の座標値を入力しスタートさせるだけで、自動走行し計測を行います。
4.自動計測中のモニター確認可能
図のようにモニター画面で計測漏れがないかをリアルタイムで確認できます。
出典:熊谷組
5.手動計測も可能
自動で計測漏れがあった場合や自動走行で計測できない部分がある場合、モニターを見ながら手動(手押し)で計測が可能です。
まとめ
床コンクリートのひび割れ調査となると、確かに外壁以上に労力がかかりそうです。外壁の場合はある程度写真の撮りやすさもありますが、床は天井から写真を撮る訳にはいきませんので。
出典:熊谷組
ドローンのオルソ画像のように床の連続撮影写真を全て繋げ、位置情報も付与してCADで確認できるのはかなり便利ですね。ちなみに位置情報はロボットに取り付けられたプリズムをトータルステーションが常時追尾することで、位置データを取得しています。
こちらのロボットですが、現在はさらに改良・改造をおこなっていくために熊谷組さんの現場限定で活用されているそうです。商品化も視野に入れて実際の現場を数多くこなすことでより良く改良していく段階ですね。
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