こんにちは。本日3月20日は北アフリカに位置するチュニジアがフランスから独立した独立記念日。独立したとはいえまだまだ現実として経済的な面でも文化的な面でも、フランスとは旧植民地旧宗主国の関係を引き摺る面は多いようです。
チュニジア人の言語はアラビア語のチュニジア方言であるチュニジア語ということですが、フランス語も普通に使われているようで、将来的に良い職業に就きたいとなるとフランス語の習得は必須。小学校からフランス語を学ぶそうです。日本人が英語を学ぶのと同じような感じで面白いですね。
さて、本日は大東建託株式会社がロボットの実用機に実績のある株式会社エイチ・アイ・デーと共同で、人手不足問題を解決すべく人と協働するロボットの開発、試行を進めているという話題。
軽量・小型な人と協働するビス留めロボットの試行を開始
昨今は建築現場でも人材不足問題は深刻化。大工職人に関しても高齢化やそもそもの人材不足が進んでおり、早急な対応が必要とされています。
また人材不足以外にも労働災害の撲滅と施工の品質の均一化を図るため、同社では2017年より開発に着手し2020年12月の実用化を目処にロボットの開発を進めています。
出典:大東建託
そしてちょうど昨日3月19日より、ビス留めロボットの「D-AVIS(デービス)」の現場試行が開始されました。
通常の作業用ロボットというと、その安全面から作業員とは一定の距離をとる必要のあるものが多いですが、D-AVISの場合は大型機械を必要としない小規模建物などの建築現場で、作業員と協働することを目的として開発されています。
そのため小型軽量で安全面に配慮された設計となっている他、品質の面では大工職人の熟練度にかかわらず施工品質を均一化できることが可能。
D-AVISのネーミング由来ですが、ロボットの特徴である「Disassembly(分解)」「Assemble(組み立てる)」「Variety(多様性)」「Innovative(革新的な)」「Smart(素早い)」の頭文字からきているとのこと。
開発背景
建築現場の高齢化、人手不足への対応
国交省発表の建設労働需給調査では、オリンピック開催決定や消費税率改定に伴う個人住宅の駆け込み需要をピークに、建設需要が高い状況が続いており、人手不足が恒常化しているのが現状。
特に木造住宅の下地から仕上げまでを担う造作大工の若年層の減少が著しいようで、2018年度の大東建託さんの現場における10代~20代の造作大工数は、12年度比で約半数にまで減少しているとのこと。
労働災害対策
一般社団法人住宅生産団体連合会の平成29年の労働災害発生状況報告によると、建設労働の職種別の労災は大工が約半数を占めているそうで、その中でも工具による労災発生率はビス留めが最も高い結果になっています。
出典:大東建託
独自システム「名監督システム」で操作
D-AVISの操作はタブレット端末等で施工状況などのデータを一元管理できる、大東建託が独自に開発した「名監督システム」というシステムを使い行います。
このシステムは1998年から現場に導入されているそうで、現場監督が更新した現場の最新情報を協力業者が常時確認できるようになっています。常に最新の情報が確認できることで現場監督と協力業者との円滑なコニュニケーションを実現しています。
出典:大東建託
まとめ
昨今では土木・建設の職人さんのように大工さんもかなり人手不足は深刻のようです。大東建託さんの現場だけでも6年間で半数にまで落ち込んでいるというのはかなり由々しき事態です。
今回の協働できる小型ロボットが導入されることで、ビス留めに関してはロボット任せにできそうなので実用化が待たれますね。職人さんからすると自分でやった方が早い、とかなりそうですが大事なのはロボットと協働するということ。
今後も技術の進化で、現場に作業用のロボットが入ってくるのが当たり前の世界になるかもしれません。しかし良く想像されるような人間のように動いて何でもこなすようなロボットは、そうそう出てくることはないでしょう。
今回のロボットのように一つの作業に特化した物がほとんどだと思います。そのようなロボットが現場に入ってきた時にうまく使って現場をまわす立ち回りも大事になり、当然これまでの作業の仕方を変えていく必要があります。早い遅いに関わらず確実に任せられる作業があるというのがポイントですね。