こんにちは。本日3.11は日本国民にとって忘れられない、忘れてはいけない東日本大震災の日。あれから8年が経ちました。避難所生活を続けられている方も多くおられ、いまだに大きな爪痕を残しているのが現状です。
日々の生活の中で中々振り返ることがない方も多いと思いますが「3.11」、今日この日は何かできることをやったり考えることは大事だと思います。誰にでも簡単に被災地の復興支援ができる方法として、Yahoo!さんで14年から検索チャリティイベントがおこなわれています。
出典:Yahoo!JAPAN
3.11企画-いま、わたしができること。
https://fukko.yahoo.co.jp/?fr=top_evt311_pc
今年で5回目となるこのイベントでは、「3.11」と検索をすることで1人あたり10円が被災地に寄付されます(3月11日では駄目なので注意)。※集まった寄付金は「大学および専門教育への進学費用の提供」「様々な困難を抱える親子のための支援」「奨学金や助成金・寄付金で東北の子どもと団体を支援」などを実施する団体へ送られるそうです。
個人的に寄付となるとなかなか踏ん切りがつかない人でも、これなら3.11と検索するだけなので一瞬でできますしやるべきでしょう。そしてそれと共に3.11を教訓に、日頃から有事の際に備えて準備ができることなどを考えるのは大事だと思います。
さて、本日はAIの話題。大成建設さんがAIを活用し、建物の周辺で発生する複雑な風の流れをAIによって高速に予測するという技術を開発されたそうです。
風環境計画における速やかな合意形成を実現
高層ビルなど高層建築物の周辺では、ビル風という強風が吹き荒れることがあるというのはご存知の方も多いと思います。このビル風を建物周辺の風環境を事前に予測し、対策をとることは風環境を構築する上で重要なことです。
現状では市街地の建物周辺における複雑な風環境を適切に予測しようとすると、風洞実験や数値シミュレーションを行う必要があります。しかしこれらの方法では時間とコストがかかるために、設計進捗に合わせて風環境を検討するのが困難だったそうです。
出典:大成建設
これらの課題の解決のため、今回開発された技術ではこれまでの施工実績等で得た数値シミュレーションによる風環境の結果をAIに学習させることで、建物周辺の風環境を短時間で予測できるようにしています。
これによって設計初期段階から風環境を考慮した検討が可能になり、関係者間での速やかな合意形成が可能になる他、検証に関わるコスト削減も図れるとのこと。
技術の特徴
1.市街地まで対象とした予測が可能
既存AIによる風環境予測技術は建物1棟のみの対象でしたが、この技術では大小様々な建物が林立する市街地までを対象にしています。周辺建物の影響を考慮した現実に近い風況を予測することが可能。
2.短時間での予測が可能
これまでの縮尺模型を用いた風洞実験では約2ヶ月。データ作成と3次元計算を行う数値シミュレーションでは1~2週間という時間を要していたそうですが、AIを用いることで建物周辺の風況をプロットする画像処理を行うため、数分で風況を予測できます。
3.設計初期段階で風環境評価が可能
この技術では周辺建物を含む建物形状データと風向きを入力するだけの簡易操作で運用可能なので、設計者自ら設計進捗に合わせ風環境を評価することが可能。
出典:大成建設
今後は風環境の予測精度のさらなる向上と、風環境を考慮した設計支援ツールとして展開を図っていくそうです。
まとめ
ちょうど昨年の今頃の記事で、熊谷組さんが開発した似たようなシステムを出しているのを紹介しています(記事:ビル風を可視化するVR活用技術)。
熊谷組さんのシステムはAIを使ったものではなく、流体解析システムにより可視化されたビル風をVR内で複数人で確認することができるというもの。両社とも風環境の予測は勿論ですが、合意形成ツールとして大いに期待できる内容になっています。
スピードでは今回のシステムという所で、関係者との合意形成でよりリアリティで説得力があるのは熊谷組さんのVRを使ったシステム、といった所でしょうか。
それにしても過去の実績データを教えるだけで短時間で予測してしまうのはAIならではと言えますね。実績を重ねるほど精度も上がるので今後は益々なくてはならないシステムになっていくのは間違いないでしょう。