こんにちは。2月も残すところ2日。本日2月27日は女性雑誌の日だそうです。なんでも1693年の同日、ロンドンで世界初の女性向けの週刊誌が創刊されたことが由来。女性の悩み相談を扱った雑誌らしく、今からみてもかなり斬新な内容だと言われています。
そんな昔から存在していたのがあり得ないという意見もありますが、普通にあり得るでしょう。そもそも人の考えや思想にかかる部分に時代は関係ありません。昔だからあり得ないとか昔だから劣っているという考えは進歩史観の弊害ですね。
さて本日はドローンの話題で、関西電力、東芝デジタルソリューションズ、アルプスアルパインの3社が電力インフラにおける架空地線の点検を目的としたドローンでの自動追尾点検技術を確立したとのリリースがありました。
電力会社初となるドローンによる自動追尾点検技術
その自動追尾点検技術は関西電力の架空地線点検業務に活用予定で、本格導入を目指し3月に京都府内の点検工事で試験導入するそうです。実際の設備の点検への導入は電力会社で初の取組みとのこと。
ちなみに架空地線とは、送電線や配電線などを雷から保護するための装置のことで、要は避雷針のような避雷設備の役割をもったワイヤーのようなものです。
背景
これまで電力インフラ点検では、落雷による架空地線のアーク痕など、設備の損傷箇所を把握するため、架空地線上を自走させたカメラの画像から異常の有無を確認していました。
しかし、山間部などアクセスが困難な場所では点検場所への移動自体に時間がかかる他、鉄塔に登ったうえでカメラの設置や自走した後のカメラの回収の為に、反対側の鉄塔に昇り回収する作業が必要でした。
上の図に手順が記載されていますが、鉄塔に行くのも大変、そして鉄塔に登ってそこから次の鉄塔までの間を自走点検できるのは良くても、次の鉄塔まで移動し登り、回収しないといけない…これではかなり時間も手間もかかったでしょう。
本格導入に向けた実証実験
今回の本格的な導入に向け、これまで実際の点検業務で想定される径間約600mの長距離や、鉄塔の高低差に起因する20度超の急勾配飛行など、様々な飛行条件や天候によって明るさの異なる状況やさまざまな撮影条件かで実証実験をおこなったそうです。
架空地線の位置を的確に把握するためのセンサーと機体制御技術を組み合わせることで、結果、鉄塔径間の全域にわたって架空地線の鮮明な画像の取得ができるようになったということ。
技術の概要
このドローンによる自動追尾点検技術は、事前の飛行プログラムの入力と簡単なボタン操作のみでドローンが自動的に離陸。ドローンはそのまま自動で鉄塔の上部へ移動します。
その後、点検対象の架空地線の真上を自動追尾飛行しながら4Kカメラで動画を撮影し、その後自動で離陸地点まで戻ります。
自動追尾に関しては、ドローンに搭載されたセンサーで架空地線のたるみや風による揺れに対応し、一定距離を保ちながら追尾飛行するものとなっています。
また、電動ジンバル機構によってカメラの画面内に常に架空地線が映るよう、カメラの向きを自動で制御しながら撮影するので、ピントの合った鮮明な画像を得ることを可能にしています。
まとめ
従来の点検方法では、作業員が最大で150mもの鉄塔に登って作業をしていたそうです。そして鉄塔間の距離が400mの場合、8人がかりで約6時間もの作業時間を要していたそう。
このドローンでの点検手法を活用することで、まず鉄塔に登るという行為がなくなり安全に作業ができる上、作業時間も半分の3時間程度でできるようになるとのこと。
作業員が登る手間が省けるだけでもメリットしかありません。これは架空地線の点検においては活用しない手はない手法と言えますね。