こんにちは。AIの業務活用が進む昨今ですが、世間ではどれくらい認知されているのでしょうか?株式会社ジャストシステム運営の情報サイトが17~69歳までの男女1,100名を対象に調査を行った所、93.5%の人が認知しその内の約4割は、AIは何ができるかを説明できるとの回答結果だったそうです。
さすがにAIは昔からある単語ですし、殆どの人に認知されています。ちなみにそれらの方のうち、Amazon Echoなどのスマートスピーカーを所有している人の割合は9.8%で、約10人に1人が所有しているという結果。2017年の調査時は4.5%ということなので約2倍になっており、着実に増加している印象ですね。
ということで本日はAIの話題。業務システムなどのクラウドサービスを展開している株式会社チャオが、AIを搭載したクラウドカメラを活用し、年齢認証の実証実験をおこなったとのこと。
AI搭載クラウドカメラ「CiaoCamera」による実証実験結果
出典:株式会社Ciao
この実証試験ですが、居酒屋チェーンを展開する養老乃瀧株式会社が運営する、一軒め酒場新橋店にて実施されました。店舗の入り口に向けてクラウドカメラで撮影しており、入店の際に客の年齢をAIで検証します。その検証は2段階。
第一段階
AWS Rekognition Imageの活用。複数の顔画像でご検知を防止
第一段階では「AWS Rekobnition Image」の顔認識機能を最大限に活用し、素早くサービスを構築。AIが画像に写っている人物の顔を識別し、推定年齢結果を返します。
その結果、年齢が低いと推定されると「要年齢確認」として通知が行われます。推定結果は画質・顔の角度によっては誤検知することもある為に、入店する数秒間の短い間に複数の顔画像を撮影し、それらの結果を総合的に判断。結果、検知率90.7%の年齢推定を実現したそう。
第二段階
ディープラーニングによる独自識別エンジン構築で検知率96.1%を実現
第二段階では、更なる精度向上と通知に掛かる時間を短縮する為、要年齢確認者を判別する独自の識別エンジンを構築。未成年者の検知にはディープラーニングによる画像判別技術を用いています。
AWS Rekognition Imageの判別結果を人手で精査した後にAIが学習し初期の判別器を作成。その後も大量のデータをAIが学習し続けることで、継続的に精度を改善します。
最終的に通知に要する時間も入店から即座に検知が可能な仕組みを構築し、非常に素早い判別を可能としています。
出典:株式会社Ciao
年齢認証技術開発の背景
未成年者による飲酒に関して、営業側の確認不足による罰則は勿論のこと、飲酒をきっかけに未成年者が事件に巻き込まれるケースも近年では増加しています。ほとんどの飲食店では、未成年者か否かの確認は店員に委ねられているのが現状で不確かな判断も多く、繁忙期には確認の漏れも見受けられます。
該当者へのアルコールの提供を未然に防ぐため、今回の実証では高い精度と客観性を持つAIカメラの目で、未成年者を漏れなく検出することを目指しています。
まとめ
「AWS Rekognition Image」というシステム名が出てきましたが、こちらはAmazon AWSの提供するソリューションで、顔の検出やテキストの抽出、有名人の認識、画像の不適切コンテンツの識別を可能にする深層学習による画像認識サービスです。
一からシステムを構築する必要がなく、すでに実証済みのサービスがAmazonで提供されているのは大きいですね。想定しているサービスと合致すれば通常よりも大幅に早くローンチできるのがAWSサービスの強みの一つです。
それにしても思った以上にAIでの年齢認証の精度が高くて驚きです。未成年かどうかの確認を店員に委ねた場合、かなり曖昧な場面も少なくないでしょう。基本は店員個人個人の主観でしかありません。
そんな個人の感覚の部分を客観視できるのは合理的です。今後お酒を扱う店舗でこのようなサービスが広まってきそうですね。大体の年齢層まで特定できるようなものになれば様々な店舗で利用価値がありそうです。