こんにちは。いよいよ今週末で仕事納めとなる企業様も多いことかと思います。平成最後の仕事納めですね。色々とあった2018年ですが残りもあと僅か、最後に事故や怪我だけはないようにご安全にいきましょう。
さて、本日は建物などの建設現場での資機材の運搬を省力化するために、三井不動産株式会社と大林組が共同で開発に着手している自動搬送システムのご紹介。
出典:三井不動産
大林組の開発したAGVをベースに改良
この自動搬送システムですが、元々2015年の時点で大林組で開発されていた「低床式AGV(無人搬送車)」をベースにし、新たな各種機能を追加し開発されています。
その低床式AGVも元々は同社が2013年に開発した自動搬送システムが改良されたものになります。初期のものは台車型の形でしたが、着々とリモデルされていっていますね。
低床式AGVの新たな機能の特徴
1.資材ヤードで資材を自動探索して資材を自動積載・荷下
これはAGV自身が資材を探して発見すると、自分で積載、荷下まで自動でおこなうという便利な機能。まずは形状と色を統一した専用パレットに資材を積載。
出典:三井不動産
AGVにはパレットの探索用とパレット識別用の2つのカメラが搭載されており、そのカメラで専用のパレットを認識します。専用パレットには二次元マーカーが添付されており、それを読み取ることで目的資材を識別する仕組み。
識別された資材のパレットの下に潜り込んで荷物を積載し、レーザーセンサーにより、周囲の環境と自己位置を認識し、資材ヤードから資材の目的地まで搬送。荷下まで自動的におこないます。
出典:三井不動産
従来は自動運転する際に必要だった、誘導線や磁気テープによる軌道設定が不要になっています。
2.AGV自ら仮設エレベーターを呼び出し、建物内の上下移動まで実現
建物内の仮設エレベーターのオペレーターに対して、専用タブレットを介してAGVが現在の階と行き先の階を伝え、エレベーターを呼び出します。
同一階の水平移動はAGVが自動的に行うため、仮設エレベーターのオペレーター1名で複数のAGVと交信しての資材搬送が可能です。
3.仮設エレベーターの自動乗降
AGVは仮設資材を積載した状態で仮設エレベーターに自動で乗り降りします。上記1,2の機能と合わせることで建設現場内を自動で走行し資材を搬送するシステムを実現。
まとめ
建設現場では大量の資機材を繰り返して運ぶ作業があります。単純な繰り返し作業、かつ多くの作業時間を占めるので、その搬送作業の省力化・省人化をすることで、大きな生産性の向上が見込まれます。
この低床式AGV。元々は自動運転するために磁気テープなどの動線を設置する必要がありましたが、今回の機能追加・改良でそこが不要になり、完全な自動運転が実現しています。
現在、試作機の動作確認が完了し、19年より三井不動産が建築主で大林組が施工する三井不動産ロジスティクスパーク船橋Ⅱの新築工事現場において実証実験がなされるそうです。
これが現場で稼働することで、作業員は加工や取り付け作業に集中して取り組めるようになるので、かなり大きな省人化に寄与することになるのではないでしょうか。